2012年03月28日

食の終焉〜THE END OF FOOD

3/10に「食の終焉〜THE END OF FOOD/翻訳神保哲生」という本が出た。

ちょっといっしょにビビってみよう。

さて。
この本は「世界の食って終わってるよねー」という
内容で「なぜか?」と結んでいる。
翻訳者の神保さんもずっとこのテーマを追っていて
(本業はジャーナリスト)
ジブンが書こうと想っていた内容が完璧に書かれていて
それを知らんぷりして本を出すわけにはいかないから
痛し痒しではあるがせめて翻訳をと。

では。

まず「前提」としてあるお話を。

バブル期の日本では「ナタデココブーム」があった。
だから食品メーカーはアジアなどの生産者に買い付けに行く。
他の作物を作っていた農家も「ナタデココ儲かる」と
みんなそれをつくるようになる。

食品メーカーは選択肢が増えたから
当然いちばん安く売るところから買う。
農家の中で「効率競争」がはじまる。
どんどん売れるからどんどんつくる。
畑は化学肥料で土の栄養はなくなり土地がやせる。

そして日本でブームは終わる。
そう。
ブームとは「去るモノ」なんだ。

突然誰も買いにこなくなり
別の作物に転向しようとしても
畑はかなり弱っている。
アジアの農家はみな破綻。


この話をアタマにいれておいてくれ。


食材を買うメーカーというのがある。
これは多国籍企業(コングロマリット)で
たとえば穀物なら小麦メジャー5社とか
コーヒーなら4社とか「元締め」は限られている。

彼らはアジア/アフリカなどに
先の「ナタデココ」と同じように
安く安く買いたたいていく。
なにしろ「価格決定力」は多国籍企業にある。
買ってもらえなければ意味がない。
悲劇は繰り返される。

日本ではネッスルと呼ばれているが
正式にはスイスのネスレというお菓子メーカー。
年にたくさんの新製品を出し
世界中のどこの地域ではこんな味が好まれるなど
膨大なデーターがある。

ではこの「多国籍企業」が悪者なのか?

いるんですよ。
ネスレもそんなに新製品出したくないんです。
でもそうしないと他の食品メーカーに負けるから。

無敵に見えたこの多国籍企業は
ジブンたちの商品を売ってくれる場所。
メガマート/スーパーマーケットなど
大型量販店の前では土下座である。
特に「客の目線の棚などいい場所」に商品を置いてもらうには
接待までするという。
そして実際にホットスポットに置かれた商品はバカ売れする。

神保さんは「日本のコンビニの棚の争いは
 それらに比べるとまだ牧歌的」と言った。
著者は「大手食品メーカーでさえ
 グローバル経済の奴隷」と表現している。

さらにファーストフード。
トマト/レタス/牛肉を同じように買いたたいていく。


さて。

マクドナルドやウォールマートが
いちばんの悪者のか?

いるんだ。
まだ黒幕が。

誰だろう?

それは「オレ」だ。
そして「あなた」だ。
オレたちは日々必死に「1円でも安いもの」と暮らしている。
同じ商品なら安い店で買うよな。
個人商店で130円のペットボトルの水より
ドンキーで「10本900円」を選ぶだろう。

オレたちは多国籍企業が土下座をするスーパーに
「クレームも言えるお客様」なのだから。


オレは食事の基本は「健康の維持」だと想っている。
美味しいモノを食べると嬉しい。
でも基本は「安全であること」だ。
よくわからんがモノには適正価格があって。
もし1000円でギターを売っていても買わない。

マトモで安全な牛丼を食べようと想ったら
700円以上はするのではないか?
美味しいし安全だ。
でも他の店が300円でやってるから
お客は安全より価格を選ぶから。


最後。

チェルノブイリ原発付近でとれた食品を
あなたは食べるだろうか?
わざわざ選んで食べるだろうか?

オレは「汚染の可能性がゼロではない地域の食品」は
国産でも友情でも絶対に食べたくない。

神保さんがラジオで自ら語っているので
正確に詳しく知りたい方は↓をぜひ聴いてください。
http://www.youtube.com/watch?v=Sq4e7d7JhiU&feature=related


おわり。




posted by カオル at 15:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする